まああれよ。
作者様お疲れさまってことは最初に述べさせてもらいます。
守「ニセコイだけは欠かさず読んでたものな」
全てはマイエンジェル小野寺小咲ちゃんのため!!
キャラごとの感想いこうか。
※長文と真摯な感想を述べます。
思ったよりも辛口ですので、不快に感じたら即刻ブラウザバックを願います。
一条楽
徹頭徹尾いい人を貫く。作中的に。
今回ようやく念願の公務員という立場になったものの、身内の世話するために家業も継ぐという無茶設定。いやいや、こういう繋がりを嫌う行政からしてみれば凄い迷惑なんだけども。というか対して悪さをしていなあいって……騙されちゃあいけない。そいつらはビー廃部っていう組織と血みどろの抗争劇しそうになったやつらじゃないか。善は善、社会悪は社会悪で認める清濁併せ盛った器量になっていればよかったのに、中途半端に「あいつらいいやつらだしヤの字でも大丈夫」とか説得力がない。
個人的に八方美人で色々と気に食わない奴でもありますが、それに関しては過去記事で散々こき下ろしましたのでまあいいです。
桐崎千棘(ゴリラ)
まああれですね。ヤクソクされたヒロインですよ。
作中散々周りを引っ掻き回しまくった罪深い女です。通称はゴリラ。作中でもゴリラ言われてたし。彼女に対しては正直、いい思い出がない。可愛いという場面は何度かありましたが、何でもかんでも彼女の都合通りに進む物語に、『ニセ』の要素が見当たらない。というかヤ○ザもの抗争劇になるから云々のことは後半死に設定になっていました。途中で全員(クロード含めて)ばらしてしまってから正々堂々付き合うとかすればよかったものを、最後まで引っ張ったのがなんだかなあと。楽と接近するために嘘を引っ張ったとであれば納得なんですが、彼女はそんなにしたたかで計算高くはないでしょうし。
小野寺小咲
我が永遠のニセコイヒロイン。
ニセコイを読み続けていた最大の要因。最近感想記事が少なかったのは彼女の出番の関係。涙の告白とか見どころはあったけども、最終話ではロクな登場機会を与えられない。初登場時から最後まで不遇の扱いを受け続けてしまった悲劇のヒロインです。彼女がここまで好きじゃあなかったらこの漫画も、ロミジュリ辺りで見限っていたはずです。彼女の最盛期はクリスマスデートですので、そこだけは必見。
彼女についての感想は過去記事でも今回でも多弁に振るっています。
小咲ちゃん。思い出をありがとう。どうかつつましくも暖かく幸せになってくれ。
橘万理香花
作者の日和見設定によって全てを殺されたヒロイン。
散々病弱設定を引っ張り続けた末の、恐らく作者的にマリー最大の見せ場ともいえる結婚式編は、思い返せば鶫のバトル漫画でしかなかった。その病弱設定も、『不治の病』『癌』『白血病』などなど、様々な憶測がファンの間で交わされていたのに、蓋を開ければ全く別物。『治療をしなければ不治の病』『女磨きのために治療をしない』という頭のおかしい理由で、今に至るとわかった際の、マリーファンの失望たるやなかったはずです。
恐らく最初は本当に不治の病か何かだったはずです。
るりのじいちゃんが死んだ『アンシン』でもそうですが、この作者は漫画でどうやって人の心に訴えかけるのかがわかっています。ここまで長期スパンに至り、人気投票も大いに振るい、不治の病設定をそのままやってしまうことがどれだけの衝撃になるかもわかっていたと思うのです。だからこそ、逃げずにそのまま行くべきだったのに、『不治の病だけどー、不治じゃないんだよねー』とかいう日和った末路を辿らざるを得なかった。
不治が奇跡で治るとかなら納得したものを、単なるマリーの自業自得にしてしまったのですから救えない。どうせフェードアウトするならば徹底的に鬱な展開(死ぬ必要はない)やってほしかった。ファンの不興を買ってでも、作品的な完成にもっていってほしかった。彼女の扱いの顛末は、リアルタイムで読んでいた方にはことのほか効くはずです。ある意味ロミジュリ以上に酷いありさまでしたもの。
そんな彼女に一時期途轍もない愛を注いだ千葉県のYさんは、最終回でお見合い候補にありました。Yさんは「マリーが好き」なのか、「楽に恋するマリーが好き」なのかは定かではありませんが、楽が既婚なので、是非とも結ばれて幸せになってもらいたいところです。
鶫誠士郎
当作品における、お色気兼ヒロイン担当。
見た目男のような容貌なのに、とんでもないリーサルウェポンを隠し持っているというギャップで脚光を浴びた……はいいものの、彼女が主役を張る回で、彼女が有能だったためしはない。ニセコイが一時的にバトル漫画にも出来るのはだいたい彼女のせい。そのバトルが面白いかは人それぞれです。私は面白くはなかったですが。
なんというか、作品でもお色気を除けば空気でしかなかった印象。いや、空気というのは失礼かもだけど、物語佳境の展開に彼女はいらないでしょう……。クロードとの一騎打ちだって、本来は主人公である楽がやるべき場面のはずです。彼女がはなにつくのは、本来主人公がやるべき場面を全部彼女が引き受けてしまうことです。マリー奪還のためのバトルもそう。妙に出番が多い。
鶫を描きたいというよりかは、バトルを描きたいという意図が透けて見えてしまう。彼女が空気というのは、彼女が作品に求められる要素を一挙に引き受けて形になった感が否めないからです。
「お色気」「巨乳」などはいいとして、「たまにバトル」という要素は、ラブコメであるのだから基本はバトル漫画に出来ない、が、バトルの方が蹴りを付けやすい展開の時には必要な要素です。楽が読み切り版の性格ならばいざ知らず、連載版は血気盛んってわけじゃありませんから、バトル要因は彼女で決まりなんでしょう。が、そのせいでマリー奪還編では個々人の戦闘力が上がりました。いやー、あの辺りはなんでバトルで誤魔化したんだろうなー。大事な場面なのに。
舞子集
いい意味でラブコメのコメディーリリーフとして立っていたキャラ。
彼については変顔とウザい行動が目に付くことが多いですが、楽以上に恋を真正面から受け止める度量を持っています。彼みたいな男友達があと数名、この作品に欲しかったのが正直な感想です。楽にはない男の魅力というものを打ち出してくれた貴重な男性キャラ。彼に対しての文句はありません。いいキャラです。
宮本るり
本作におけるクーデレとまな板担当(殺されそう)。
最終的に集との同棲(いずれ結婚)ENDでしたが、これがまたナイスカップルです。作中、ヒロインの候補にはないものの、サブストーリーにおける主役的な位置づけは立ち位置的に美味しい。変顔もしますし小咲ちゃんに熱い突っ込みをいれることもありますが、偏に彼女の幸せを願ってのふるまいなのは知っています。つまり、小野寺小咲ちゃんが好きで、るりちゃんを嫌いになる人はいない。小咲ちゃんの幸せを願う同士なのだから。しっかりと現実的な夢に邁進するベストカップルなので、これからも幸せあれ。
小野寺春
姉妹同時攻略という夢を見せてもらったキャラ。
アニメでの声は私も大好き佐倉さん。お転婆キャラによく合っていました。というかこの物語における追加キャラ的扱いなのに、キラキラな少女漫画的ストーリーなのでラブコメというよりも恋愛漫画でした。彼女を最初に見たときの感想は「苦し紛れの新キャラ投入か」と疑ったものですが、いざ登場したらうまいことキャラが立っている。なのに出番はなぁなぁの内に終了。最終回では美人店長として家を継いでいましたが、出会いがなければガチ百合の未来しか待っていない。頑張れ春!
奏倉羽
まあ、理想のお姉ちゃんキャラです。
かなり後半の一部分でしか登場しなかったのですが、「夜這い」「シーツ越しのキス」「ヒロイン焚きつける宣戦布告」など、僅かな期間で特大級の台風を巻き起こしたキャラクターです。嫌いではないけども、どうにも好きになれない万能超人キャラ。いや、幼馴染で教師って、ときメモ2でも見たことがあります。
最終回では誰かの子を身籠っていましたが、彼女のファンはこれどういう思いなんだろうか? 首領として望まぬ見合いしたとは思いたくないですし、いい人に巡り合ったのだろうと素直に思っておきます。
思い起こせば、ニセコイは長い作品でした。その結末は大方の予想を覆すことなく終わりましたし、皆何事もないハッピーエンドでした。本物の恋になった時点で既にタイトル違いなのですが、そこは気にしないでおきます。
最後にもう一度。
作者:古味直志先生に、敬礼!!